2005-72005-7-30「おぎゃぁぁぁーわんー」とうとう生まれた、僕の子供が。ここまで苦難の連続だった。僕の精子が他の人より1割程度の濃度しかないのと、妻が不妊症であることもあり、 僕たち夫婦には10年間子供がいなかった。僕の家族は妻と犬のペスだった。でも今日からは4人で幸せの生活が始まるんだ。 「よし、赤ちゃんはどんな顔かな」 おもむろに僕は赤ちゃんの顔を見ようとした。そこには青ざめた妻と赤ん坊がいた。僕は赤ん坊の顔を見たかったが妻が明らかに様子がおかしいので 不思議だった。 「おいどうした。ようやく僕達の子供が生まれたのになんでそんなに青ざめているんだ」 妻は黙ったままだった。僕の声が届いていない。しょうがないので僕は赤ちゃんの顔を見ることにした。 「え、ええええええええええ」 ありえないものを僕は見てしまった。その赤ちゃんは明らかに僕には似ていなかった。この顔はまさか・・・・・・。 「・・・・・おい、この子の父親はもしかして・・」 妻が重い口を開いた。 「・・・・・そうよ、ペスよ」 赤ちゃんの顔はペスだった。犬のペスの顔に瓜二つだったのだ。 「ペスの勃起が・・・あなたより全然すごかったのよ。もしかしたらと思ったら本当に妊娠しちゃったのよ」 ここに世界初の狼人間ならぬ犬人間が誕生したのであった。 |