2005-22005-2-3「先生聞いてください」「なんだ。おい、この答案白紙じゃないか」 「いえ書いていますよ。今から話すことはすべて事実です。実はですね、道端であるペンを拾いました。そのペンには 説明書も一緒についていました。そしてその説明書にはこのペンは正直者にしか見えないインクを使っていると書いていたのです。 そしてこのペンをすべて使いきった時一つだけ願いごとが叶うと書いてあったのです」 「それでどうした」 「だからこのテストもこのペンで書きました。先生が正直者であるなら答案の答えが見えるはずです」 「いや、まったく見えないな。それよりも別にこの時間だけ違うペンを使えばすむ話じゃないか。お前は0点な」 「・・・・・不倫なんてよくやるよな」 「え・・・・・、何を言っているんだ・・」 「正直者だったらこの答案の答えが見えるはずなんだけどな」 「俺はそんなことをした覚えがないな」 「はっきりいって確実に僕は証拠を持っていますよ。実際いつでも暴露できます。先生は正直者だと思ったのになぁ・・」 「それはあれか脅迫か」 「いえ。ただの僕の独り言ですよ。ただ答案の答えが見えないということはあれですよ、嘘をついているということですよ」 「えーとな、あ、よく見るとああ、ちゃんと書いてあるな。わかった、わかった。見えるぞぉ。オッケーオッケー、その話本当だったんだな」 「あ、やっぱし先生なら見えると思いました。ではこれでいいですね」 「このことはどうやって知ったんだ」 「先生わからないんですか」 「ああアリバイも完全だったはずだし、足はついてないはずだ」 「だって先生の相手僕の姉ですよ。苗字で気づかなかったですか」 「・・・・・・そうか、お前の読みも答案も100点だ」 2005-2-7地球には宇宙人のかなりの数がもう現に住んでいる、そう力説する科学者は少数である。最近この手のことを話し出す人は 頭がおかしいとか変わっているとか、批判の急先鋒に立たされることが多い。それもそうだ。だってそういう人いや未確認生物に 出会える人は地球人の0.05%にも満たないだろう。よって大多数の人々は少数派の意見になど耳を傾けないし信じようともしない。 しかし俺はそのような愚民達の考えにはほとほと嫌気がさす。だって俺自身が宇宙人なのだから。「さーて今日も始まりました、TVたっくるぅぅー。今日は未確認生物についてです」 「こんなもんいないにきまっとるぅぅぅぅぅーーー」 「お、落ち着いてください、大月教授」 「えーと今日はですね、本当の宇宙人と名乗る人物がこのスタジオに来ています」 「なななななんあななななぁにぃっぃぃぃぃぃーー、それは本当かね、か、か、か、科学的に証明はできるのかね」 「本人曰く絶対的な証拠があると、では登場してもらいましょう、ベジー板さん」 「うるせぇんだよ、この糞じじぃぃ。俺が宇宙人だよ」 「しょしょしょしょしょ証拠はぁ証拠はあるのかねぇぇええ」 「いちいちうるせぇな、じゃ見せてやるよ、まぁ放送できたらの話だけどな」 彼はおもむろとズボンを脱ぎだし、あろうことかパンツまで脱いだ。悲鳴がこだまする。絶叫。しかし女性陣の目はしっかりと 彼の性器のほうに向いていた。彼の性器はなんと腰に一回転に巻かれていたのだ。すさまじいインパクトな光景である。 「ななな、なんですかベジー板さんこれは」 普段は冷静な狭川さんも興奮を隠しきれない。 隣のビート健や毒舌タレントの大岳さんは声を失っていた。 「作り物だ、作り物に決まっているぅぅぅ」 大月教授は叫びまくった。 「まだそんなことを言うのか。じゃあ見とけ。もっとすごいことをしてやる」 彼はこういうと、おもむろと性器に指をあて 上下にさすり始めた。すると彼の性器は物凄い勢いで腰からほどかれ、一気に直角に膨張した。 「ほら、どうだ。俺は惑性ベジー板の王子のベジー板だ。そして俺は誇り高きサイヤチンだぞ」 彼は上下運動をさらに早めた。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 性器の周りが金色に輝く。そして彼はスーパーサイヤチンと呼ばれる金色の性器を見せ付けた。余りの膨張ぶりに男性陣は自分のと 比べて赤面していた。大月教授は泡を噴いて失神した。 この放送によって世の中に宇宙人が存在し、地球上にもいることが証明された。そのことを証明した「TVたっくるぅぅー」の功績は 高く評価されたが、当然のことながら放送コードにひっかかり、打ち切りとなった。そしてベジー板は宇宙人の存在を証明することには 成功したが、彼自身は宇宙チンと呼ばれることとなった。 2005-2-18生まれた時から人の物真似が完璧にできる男がいた。彼は人のしぐさや声など物真似するのが得意だった。 学校の中でも彼は人気者になった。彼は教師の物真似やクラスメートの物真似もお手のもので、芸能人やスポーツ選手の物真似も 誰の物真似でも完璧に演じることができた。皆が彼を賞賛した。彼もその要求に応えた。 評判が評判を呼びいつの日か彼はテレビにも出演することになり、気が付けば 彼は日本中でも知らない人がいないくらいの物真似の名人になっていた。彼は自分の物真似がこれほどまで受け入れられることに 驚きはしていたが、物真似で人が笑ってくれる、幸せになってくれるならそれが自分の人生なんだと思っていた。しかしふと彼は気づいた。果たして僕自身には特徴があるのだろうか。誰か僕の物真似をできる人がいるのだろうか。 考えれば考えるほど自分自身に迷いを生じた。そういえば、僕自身の性格は一体なんなんだろう。誰か僕の、いや僕の存在を 物真似以外で考えてくれたことがあったのだろうか。彼は必死に自分自身を考えるようになった。 そんな時彼はたまたまファイナルファンタジーXというゲームをしていて「ものまね師」というジョブを得るところを見た。 ものまね師は自分のパーティーの攻撃はすべてものまねしたが、彼自身を攻撃しなければ彼は何もしてこなかった。 いや何もできなった。彼は降参した。ものまねができなくて降参したのだ。 何かがそこで見えた。僕はもしかして、誰かがいなければ必要とされない人間じゃないのか。 僕は誰かがいないと今の僕の存在がなりたたないわけで、そうなった時一体僕はなんなのか。 そうだ、誰かが僕を必要としているわけではなくて、僕が誰かを必要として生きているのではないのか。 今まで僕は誰かに必要とされていて、自分がこの世の中に必要なものとばかり思っていた。僕自身がいなくなっても 僕が演じている人気者、ファイナルファンタジーでいう主人公がいなくなるわけではないのだ。 そのことに気づいた時自然と涙がでた。自分自身が実に透明な存在であることを実感した。 今日も彼はいつものようにテレビに出て物真似をした。ブラウン管に映る彼は変わらない。 しかし彼自身は気づいている。彼は理解しながら自分自身を偽り続ける。 2005-2-21名前は小杉忠雄。今まで彼の人生は光り輝いていた。成績は優秀で運動神経も抜群。それだけではなく人望も厚くルックスもよかった。 将来彼は大きな男になるに違いないと周囲は期待し、彼もその期待に応えるように一流大学を卒業したあと、一流企業に 就職し、50歳で社長にまでのぼりつめた。しかし彼には誰にも教えれない秘密があった。「小杉さんお入りください」 「失礼します」 「今日はどうかしましたか」 「先生まずこれを見てください」 「むむむ、これは一体どうしたんだ」 「いや、本当に最近なんです。最近どうもおかしいと思っていたらいきなりこうなってしまったのです」 「これは僕以外の専門家もいると思うのですがそちらにはいかれましたか」 「はい行ったのですが、これは手のうちようがないと言われたのです。そして病院に来たのです」 「わかりました、精密検査をしましょう」 「お願いします」 後日 「先生どうでしたか」 「実に言いにくいことなんですが・・」 「先生教えてください。どうしても他の専門家が手のうちようがないが言ったのが解らないのです」 「ショックかもしれませんが」 「はい・・」 「これは不治のハゲです」 「ふふふふふふふっーーー不治のハハハハハハゲってそれどういうことですかぁ」 「これはですねとりあえず毛根が全滅、一生再生することがなくて、100万人に一人と言われているツッツールツール油と呼ばれる 成分があなたの額からでています。いきなり発症するのです、この油は。これが出ていると植毛すらすべって無理なのです」 「そ、そんな・・。先生なんとか・・・なんとかなりませんか。妻にすら言えてないんだ。 勿論愛人にも誰にも。かつらじゃ蒸れるんだよ。セックスの時とか本当に蒸れるんだ」 「こればかりはしかたありません。でもそのかつらではたぶんバレバレですよ」 「だってかつらも通販で、通販でぇぇぇぇしか買えなかったんだーーー。せ、せ、先生、ど、どうにか、どうにかならないですか」 「無理でーす。次の方どーぞ」 「ちょっと待ってかつら、か、か、かつらまだつけてない、ああああああああ」 |